ペストやスペイン風邪の教訓から

 緊急事態宣言が5月6日までという発表は、もし発信時点で6月までにしてしまうと、その時点で日本中がちょっとしたパニックを起こしてしまうからのような気がします。今後の収束までの道筋を考えると、ワクチン、特効薬ができるか、ひととおりみんなが感染し、自然抗体ができるまでという2択しかありません。6月から世界が元通りになるなんてことは、不可能です。100年前のスペイン風邪の収束まで2年、14世紀の黒死病は30年かかったといわれています。そして、前者がり患数6億人、死者4000万人、後者は当時のヨーロッパ人口の3分の1が死んだといわれているそうです。科学が進んだ現代とはいえ、今のところ方法は他人と接触を減らすことしかなく、スペイン風邪の時と同じです。ですから簡単に収束するとは考えず、長期戦を覚悟しなければならないと思うのです。たぶん日本政府もそれはわかっているのだと思います。だから、おそらくGW中に緊急事態宣言の延長が発信されると思います。

 100年前だったら、休校を続けて徹底的に感染しないようにしてウイルスがなくなるのを待つか、普通に生活してみんなが感染して生き残るしか方法はないでしょう。でも経済が破綻して飢え死にする人が増え、社会が不安定になり、感染によって死んでしまう人が多く出ることになるでしょう。過去の収束はそんなものでした。でも今回は違います。死者を減らすために医療崩壊を防ぎ、経済を守り、そして教育も守っていこうとしています。歴史上できなかったことをやろうとしているのです。

 医療と科学技術の発達がそれを可能にしているのです。医療を守るのは、お医者さんや看護師さんなどの医療関係者に、経済は財界や企業や国やお店のみなさんに、そして教育は私たち教育関係者が分担してそれぞれの役割を担って守っていくようにしなくてはなりません。何とかなるだろうとか何とかしてくれるだろうではなく、自分で考えて、攻めの気持ちで工夫していかなければなりません。

 学校としては、今はプリントをつくって配布することくらいしかやっていません。しかし、この後休校が何か月かかるかわからないのだから、何とかコミュニケーションの方法を確立して(テレビ、ネットなど)子供達や生徒たちを安心させる方法を自分たちで確立していく努力をしなくてはならないと思います。政府の発表を待っていてもしょうがないのだから、次の手を考えどんどん進めていくようにすればいいと思います。先生たちは時間があるのだから、毎日の授業の動画をとったりすることはできるのです。動画は全員が見れないからやらないという人がいるけれどそれは怠慢でしかない。見れない人は数人いるなら、学校で上映すればいいのです。教室に数人来るくらいなんでもないことです。

 市役所や学校が在宅勤務なんてしている暇なんかないと思うのです。感染しないように十分に注意しながら頑張るしかないでしょう。(市役所の人は、看護の仕方を勉強して、この後くるであろうホテルでの軽症者の看護の手伝いや移送、検査の実施、保健所の手伝いなどの準備を始めてほしいです)